財産分与は、離婚原因や収入の有無に関係なくできる

2014-08-25

「財産らしいものがない」「家も車も名義は夫」
実は…年金を分割できる~経済的に弱い立場を考慮してくれる~など財産分与の仕方は様々あります。

◇「財産分与」と「慰謝料」の違いは?

財産分与と慰謝料は、どちらも離婚に関わるお金の問題です。
慰謝料は、離婚原因をつくったほうが相手に対して損害賠償として支払うお金なので、「性格の不一致」「価値観の違い」など、どちらかが一方的に悪いわけではない場合、慰謝料の請求は認められません。
それに対して、財産分与は夫婦が結婚している期間にふたりが築いた共有財産を清算することで、離婚原因に関係なくおこなわれますので、離婚原因をつくったほうであってもお金を受け取る権利があります。
ちなみに、夫婦の「共有財産」とは、結婚生活に必要な家財道具をはじめ、土地・建物などの不動産、車、預貯金、有価証券などが該当します。
また、所有名義が夫婦のどちらかになっていても、共有財産とみなされます。
正式に離婚が決定する前に夫婦の共有財産のリストを準備しておくことが大切です。

◇財産分与は4つに分けて考えられます

現在、法的に認められている財産分与の性質は次の4つに分けて考えることができます。

■精算的財産分与……婚姻中の共有財産の精算のこと。将来、受け取る退職金も財産分与の対象になる。結婚前からの預貯金、親から相続した財産、贈与された財産は対象外。
■扶養的財産分与……経済的に弱い立場の配偶者に対する自立援助のこと。基本的には、精算的財産分与や慰謝料に対して請求や期待ができない場合、できたとしてもそれだけでは生活できない場合に、これを補う目的で請求するもの。
■慰謝料的財産分与……離婚による慰謝料のこと。財産分与に慰謝料が含まれ、精神的な損害に対して十分に補填されている場合は、別途、慰謝料を請求することはできない。
■過去の婚姻費用の精算……婚姻費用の分担のこと。多くは婚姻中に片付くものだが、どちらかが未払いの場合、財産分与のなかで考慮される場合もある。

◇こんなとき財産分与はどうなるか?

Q:相手が一方的につくった借金は財産分与の対象になる?
A:ギャンブルなどでつくった個人的な借金は、保証人になっていない限りは財産分与の対象にはなりませんが、生活費のための借入金や住宅ローンなどは対象になります。

Q:配偶者の受け取る年金も財産分与の対象になる?
A:年金分割も内助の功の評価として財産分与の対象になります。
2007年までの分に関しては話し合いによって分割の割合は変わるものの、たとえば妻が専業主婦であれば、夫の厚生年金のうち最大で2分の1を受け取ることが可能なケースもあります。

Q:別居期間中に築いた財産は対象になる?
A:基本的には「離婚成立時の共有財産」ですが、別居期間が数年に及ぶなど長い場合は、別居をした時点や婚姻関係が破綻したときに基準を設けることもあります。

◇財産分与の請求の方法は?

財産分与の請求は、家庭裁判所に申し立てるところから始めます。費用は、収入印紙(1200円)、郵便切手(80円×10枚)かかります。そのほかに、「家事調停申立書」「申立人の戸籍謄本」「相手方の戸籍謄本」「不動産の登記簿謄本(未登記なら固定資産評価証明書)」を各1通ずつ必要になります。裁判所によっても必要なものは異なる場合があるので、事前に問い合わせてみましょう。

◇財産分与を有利に進めるには

財産分与はお金の問題がメインになりますが、メンタルな部分にも関わってくることです。愛着のある家具や思い出の調度品など、金銭的な価値だけでははかれないものも分けなくてはならないからです。
いざ財産分与に直面したときに「やっぱり、あれも…これも…」などとならないように、財産分与の交渉の前には細かなものまで共有財産のリストをつくっておくことが重要なポイントになります。
リストの作り方は、ノートに「預金」「退職金」「テレビ」「ソファ」などと品目を書いていき、その横に、金銭的に価値をつけられるのもは見積もりの金額を書いていけば大丈夫です。
家具や電化製品などについては、「自分が欲しいのか」「相手が欲しがりそうか」などちょっとしたメモも書いておくと、後で見たときにスムーズに分与が進むでしょう。
離婚が決定的になってから財産分与の準備をはじめると、隠れて財産を処分されたり、分けるのが惜しくなったりと、思いがけずこじれる可能性もあるので、財産分与は離婚が決定的になる前に調べておくことが大切です。

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